1872(明治5)年の湯島聖堂博覧会にアイヌ資料が初めて出品されてから、2025(令和7)年の大阪・関西万博に至るまで、およそ150年にわたり、アイヌ民族は博覧会と関わってきました。博覧会は、知識や文化を広める一方、人や文化を比較し、序列化する場でもあり、アイヌ民族は、差別や偏見、優越感を含むまなざしのもとで展示されることがありました。そうした展示が行われた時代においても、その関わりは一方向的な「展示される対象」という図式だけでは捉えきれず、時代を経るごとに博覧会のあり方や参加のかたちも変化していきました。本展では、工芸品、写真、絵はがき、書簡、衣装、映像、博覧会に関わったひとりひとりの「声」から、個々の経験や思い、交錯する関係性に目を向け、個人にとって博覧会がいかなる場であったのかを考えます。
2026-08-31
