この秋、「藍染めのアポレンカ 受け継ぐ技とデザイン展」を、藍染めのアポレンカ展実行委員会、チェコセンター東京、チェコ共和国大使館が主催し開催いたします。本展は、優れたデザイン作品としても評価されている絵本『藍染めのアポレンカ』の原画とともに、これまで日本にほとんど紹介されることのなかったチェコ(一部スロヴァキア)の藍の型染めの技とデザインに関する資料を展覧するものです。また関連事業として子供向けのワークショップおよび一般向けの講演会、ギャラリートークを行います。

開催趣旨

藍の型染めは、近年本国チェコで大いに注目されています。2018年11月にはユネスコ無形文化遺産にも登録され、国立から地方の美術館・博物館に至るまで藍染めを紹介する展覧会が頻繁に開催されています。一方で、今日に至るまでチェコにおける藍の型染めについては、直接的にも、西欧を経由して間接的にも日本に紹介されることはほとんどありませんでした。

本展では、知られざる中欧チェコの藍の型染めの魅力を発信すること藍染めを通じた日本とチェコの国際文化交流を行うこと、さらには日本の伝統工芸の再発見につなげるという複合的な性格を持ち、日本の美術工芸の分野にも貢献しようとするものです。

絵本の原画を軸とするため、今までになく幅広い年代層に藍染めの魅力を発信できることが期待されます。江戸時代後期に発達した日本の中形と時期も含め、多くの共通点を持つチェコの藍の型染めをはじめて見る人たちは、両者の共通点を発見し、ヨーロッパの小国、チェコの文化やそこに暮らす人たちへの関心も高まり、親密な相互理解の場となるでしょう。さらに日本においても課題となっている伝統技術の保護、継承について考えてもらう機会ともなります。 

チェコの藍の型染め

チェコ語でモドロティスク(Modrotisk、直訳すると青いプリント)は木型を使って糊を生地に「プリント」し、藍で白い文様を染め抜く技法とその技法で染めた布を意味する。19 世紀に最盛期をむかえた。藍染めに適した亜麻の栽培が盛んだったこと、その後木綿が普及したこと、またウォードに代わってインド藍が大量に供給されたことで、量産に向く型染め技法が発展し、庶民、特に農民層に定着した。糊の主な材料はカオリンとアラビアゴムで、木版を用い型付けする。第一次大戦後、衣服としての実用性が重視され民族衣装は衰退するが、第二次大戦後から冷戦終結まで存在した伝統工芸品研究所の取り組みにより技術は途絶えることなく継承された。2018年、ユネスコ無形文化遺産に登録。

絵本『藍染めのアポレンカ』(2023年、求龍堂)

ロマナ・コシュトコヴァー原作、ボローニャ・ブックフェア入選作家のヴェロニカ・ヴルコヴァー+ヤン・シュラーメク画、小川里枝翻訳 2020年チェコ・グランドデザイン最優秀イラストレーター賞、チェコの児童文学賞・金のリボン賞ノミネート他多数。

「光の少女」を意味するアポレンカという名前の少女が、跡取りのいない藍染め職人の老夫婦のもとに現れ、やがておじいさんの技を次の世代につないでゆく物語で、技法や職人の技の精神が美しいイラストレーションとともに生き生きと描かれている。

本展キュレーター略歴

ロマナ・コシュトコヴァー(Romana Košutková) 

ホドニーン市美術館キュレーター、教育普及部門責任者、「子どものアトリエ」主宰、ブルノ・マサリク大学哲学部美術史専攻にて文学修士 2004年ホドニーン市美術館に「子供のアトリエ」を設立、子どもが美術工芸に親しむための教育プログラムおよび数々の教材を開発してきた。なかでも美術家と組んで制作してきた美しい教材はチェコ国内で高く評価されている。2020年、『藍染めのアポレンカ』はチェコの児童文学賞である黄金のリボン賞にノミネート、チェコ文部省主催「最も美しい本」賞の児童文学部門賞にノミネートされた。

小川里枝(おがわりえ) 

成城大学大学院文学研究科美学美術史専攻博士課程前期修了、プラハ・カレル大学哲学部ボヘミア学科チェコ学コース修了、高崎市美術館学芸員、その後主にチェコ関係の展覧会カタログの翻訳、通訳等に携わってきた。訳書に『藍染めのアポレンカ』(2023年求龍堂)、共著に『チェコを知るための60章』(2024年明石書店)など。2014年より主宰するヴィオルカを通してチェコの藍の型染めの日本への紹介、普及活動に力を入れている。2024年の展覧会「BLUE 伝統と現代デザインにみる青」(主催:南東モラヴィア博物館、於ズリーン)では、日本で制作したチェコの藍の型染めを使った作品が招待出品された。その作品(3点)はブルノのモラヴィア博物館民族誌学研究所に同年収蔵された。

会期:2026年10月02日(金)~2026年11月30日(月)

※会期や入場条件等が変更になる可能性があります。最新情報は公式サイトをご確認下さい。

入場料入場無料
開催時間10時~19時
休日 土日祝日休館
詳細情報 展示の詳細情報を確認する

チェコセンター東京

住所 〒150-0012
東京都渋谷区広尾2丁目16−14 渋谷区広尾2丁目16−14(チェコ共和国大使館内)
開館時間平日10時~19時
公式サイト https://tokyo.czechcentres.gov.cz/ja