テキスタイルの先端技法で新しいアート表現を追求し続ける大高亨氏。金沢美術工芸大学で工芸科の教授として教鞭をとりながら、デジタルジャガード織物の絵画的表現からインスタレーション、近年はデジタルインクジェットプリントやデジタルミシン刺繍まで、テキスタイルデジタル機器の研究を重ねており、アナログなプロセスや技法をデジタル技術と合わせた作品を発表しています。
この度の企画展ではデジタル技術のテキスタイルアートと石川県の伝統的工芸品金沢表具が融合して唯一無二のカタチを生み出しました。厚みや凹凸の変化のある織物を表装出来たのは、歴史が培った経験と知識、さらに豊富な技術を持ち合わせた金沢表具の職人ならではです。こうした現代の技術と伝統工芸が手を携えて今後の新しい工芸分野も切り開かれていくものと思います。
テキスタイルの細かなディテールや繊細な表現に着目し、テキスタイルアートを身近な生活空間の中に生かして楽しんでもらえるきっかけになれば幸いです。