福井貞子(ふくい・さだこ 1932年~ )は、倉吉絣の調査研究と再興活動に尽力しながら、個人作家として、現代において絣織を表現することに長くたずさわってきたことで知られる現代の鳥取県を代表する染織作家の一人であり、鳥取県指定無形文化財「絣」の保持者です。
本展では、このたび当館が受贈した、福井が長く作品を出品してきた日本伝統工芸展の入選作22点をはじめとする着物と着尺合わせて約70点を、会期中4期に分けて展示します。日本の絣織に関する長い調査研究活動のなかで培われた製織技術と、自身が日々暮らす倉吉で感じた季節の移り変わりや風景の印象、或いは旅先で得た印象などが、図柄や色彩からなる工芸表現として一つの布の上に結実する、福井貞子の染織世界をご紹介します。
福井貞子プロフィール
1932年、鳥取県東伯郡赤碕町(現琴浦町)に生まれる。1952年に福井千秋と結婚後、大姑のかね(1878年生まれ)より倉吉絣の手ほどきを受ける。1962年に倉吉北高等学校教諭となる。同年、日本女子大学(通信教育部生活芸術科)卒業。1966年、著書『倉吉かすり』を出版。1974年、倉吉北高等学校に倉吉絣研究室が開設され、同室で活動。「倉吉絣保存会」設立にも参画する。1985年、著書『木綿口伝』が司馬遼太郎の『街道をゆく』で紹介される。1988年、倉吉北高等学校・絣研究室を退職。以降は、自宅にて創作活動のかたわら、「伯耆しあわせの郷」での織物指導(1993年~ )、技術の伝承、織機等の資料展示などを行っている。2005年、鳥取県立博物館で「嶋田悦子・福井貞子 絣表現における伝統と創造」を開催。同年、鳥取県指定無形文化財「絣」保持者指定。現在、日本工芸会正会員。
