動画付き書籍 第2弾

作品解説

美しい色の物について「錦のような」という表現を使うが、それでは錦とは、いったいどんな織物なのだろうか? 2色以上の美しい糸で織られた紋織物を総称して経錦や緯錦と呼んできたが、長い歴史の間に織り出された紋織は多岐にわたる。

本書では、地糸である経糸と緯糸の交差による綾織や捩織のような紋織から、経錦や緯錦などの多色による紋織物まで、どのような順序で織り手が機上で考えついてきたのか、機の構造と共に解説する。

古代から現代につながる紋織の組織について理解するために、米国の織物組織研究家のミルトン・サンデー氏による細紙交差メソッドで基本的な組織を、そして織の技法は模型機をつかい説明する。それぞれの歴史的背景などは、本書では説明せず、『もようを織る』に連携しての頁をしめした。実際に織という作業の経験がない人々にも、どのような方法で織るのかを、QRコードの動画を見ていただきたい。

織物について学ぶ時、説明を読んだり、織物組織の図を見るだけで理解することは難しい。手を動かして細紙交差で組織を理解しドラフト図を描くことで、経糸と緯糸の動きを追うことが出来ると思う。本書がそれを実現する手引きとなれば幸いである。

目次

  • 表紙の写真解説
  • はじめに Foreword
  • 古代の織機 Ancient Looms
  • 四方耳の布を織る整経方法 The warping to prepare a four selvage loom.
  • サンデーメソッドの細紙交差で織物組織を学ぶ
  • Sonday Method of studying weaving structures
  • 地糸による紋織 Pattern weaves with main warp & weft
    • 浮織 Float weave : 平地綾紋・平地浮紋の綺・西方の綾織・繻子織
    • 綟織 Crossing & re-crossing weave : 紗織・羅織
    • 紋織技法の発展順序 Developing techniques of pattern weaves.
  • 色糸を使う紋織 色経糸による紋織 Weaving patterns with colored warps
    • 補経浮紋織 Supplementary warp float weave
    • 経糸交替 平組織 Warp substitusion
    • 経緯 二枚重ね織 Double cloth weave
    • 緯複様 相補 平組織 Complementary warp plain weave
  • 相補組織とは:単様と複様 Complementary weave
  • 中国での機の展開、 経錦を織る機
    Chinese drawloom for weaving with complementary warps
  • 中国の空引機 Chinese drawloom
  • 紋綜絣と分割通糸による試し織
    Experimenting with multiple pattern shafts and color separated draw cords
  • 色緯糸による紋織 Weaving patterns with colored wefts
    • 補緯 浮紋織 Supplementary weft float weave
    • 緯糸交替 平組織 Weft substitution
    • 綴織 Tapestry weave
    • 緯糸の相補 組織 Complementary weft weaves
  • 西方で緯複様 相補組織を織る機
    Western loom with complementary weft weaving
  • 補経糸の展開 The use of supplementary warp development
  • ペルシャ18世紀の小紋様のタクテ Persian taquete
  • タクテ(taquete)を側引機で織る Weavingtaquete on a drawloom
  • 中国の空引機でサミットを織る Weaving samit on a Chinese drawloom
  • 中国での竹製の下綜統 Chinesebamboo lowering shafts
  • 日本と中国の上綜統 Chinese & Japanese raising shafts
  • 中国の唐綾Chiinese twill damask
  • 遼式緯錦 Liao samit
  • 日本での浮織と紋織の発展
    Japanese float weave & pattern weave development
  • 準風通様倭錦・古調倭錦・今様倭錦・有職織物の浮紋織
  • 補緯(絵緯)の地経トジ Main warps bound supplementary wefts
  • ランパスとは Lampas
  • 補緯別絡みトジ(ランパス)のバリエーション The variation of lampas weaves Lampas I・II、Taille-douce・Brocatelle
  • ベルベット・ビロード Velvet・Birode
    • ペルシャの多重毛経糸のビロード Persian birode
    • インドの紋ビロード Indian birode
    • トルコの紋ビロード Turkish birode
    • ランバスベルベット Lampas velvet
  • フランス、リヨンでジャカード装置が完成してからの紋織の変化
    The change of pattern weaving after the development of the Jacquard mechanism In the early 19th century in Lyon. France
  • 小林桂子の著作・略歴
  • 写真の使用リスト
  • 裏表紙の解説

小林桂子

フランス、リヨンの織物博物館で国際染織学会CIETAの織物組織解説講座を2000年・2001年に受講し、織物組織のドラフト図を描いて理解する方法を学んだ。2005年には、米国の織組織研究者であるミルトン・サンデー氏が考案した細紙交差という方法を、ロスアンゼルス・カウンティ美術館でのセミナーを受講した。

著者小林桂子
発行年2026年
発行自費出版
価格3300円
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