⽇本の布⽂化を⽀え、⻄陣織や友禅染の美の基盤となってきた京都・丹後地区。

本書は、この絹織物産地で使⽤される様々な「⽷」にフォーカスしています。シルクだけではなく、ウール、⿇、綿、和紙、さらには⾦属や⾙殻まで、厳選されたあらゆる素材は⼀本の⽷に集約され、織物として仕上げられます。古代から現代までイノベーションを繰り返し、⽇本のテキスタイル⽂化を牽引してきた「丹後の⽷」。その凄みに迫るとともに、服飾⽂化において、⾃然や地域社会と共存しながら育まれてきた伝統技術が秘める「未来への可能性」を提⽰します。

なお本書は、2023年に京都(堀川新⽂化ビルヂング)と東京(⼤垣書店 ⿇布台ヒルズ店)で開催され、⼤きな反響を呼んだ同名の展覧会をベースに、さらなる解説や写真家・林雅之による撮り下ろしビジュアルを加えて書籍化したものです。

本書の⾒どころ

01|テキスタイルデザイナー須藤玲⼦(NUNO)による技術解説

京都・丹後の⽷、布にかかわる伝統技術と⾰新を深く、わかりやすく解説。丹後の染織事業者6社とNUNOが協働開発したテキスタイルを、普段は⾒ることの出来ない貴重な⽷の写真や技術的背景とともに紹介。

02|デザインスタジオ we+ による臨場感あふれる「⽷を巡る旅」のルポルタージュ

気鋭のコンテンポラリー・デザインスタジオ we+(林登志也・安藤北⽃)が、丹後の織物メーカー6社を徹底取材。現地の⽣産⾵景の熱量を伝えるフォトエッセイを収録。

*このwe+による産地訪問記は、2023年にAXIS Webに連載され、国内外のクリエーター、デザイナーの⼤きな反響を呼びました。

03|写真家・林雅之による⾼解像度の撮り下ろしビジュアル

プロダクト、スチルライフの第⼀線で活躍する写真家・林雅之が、伝統のなかに宿るモダンな美しさ、⽷や布が持つ細部のテクスチャーを驚異的な解像度で捉えています。

04|デザイナー庄司⻯郎による、触覚を呼び覚ますシャープな装丁

グラフィック、プロダクト、インテリアと分野横断的なクリエーションで活躍が⽬覚ましい庄司⻯郎。視覚だけでなく紙の質感、⼿触り、重さなど触覚を呼び覚ます装丁で、本ならではの体験価値を追求しました。

05|川上純⼦の翻訳・構成による、世界へ届ける「全⽂⽇英併記」

進化を続ける⽇本の伝統美を国内外へ届けるため、テキストはすべて⽇英併記。翻訳家の川上純⼦は須藤玲⼦へのインタビュー、序⽂の執筆・構成も担当しています。

目次

  • 序文:丹後の糸に惹かれて
  • we+の丹後リサーチプロジェクト-理想の糸を求めて|林登志也、安藤北斗
  • 織物会社の現場を訪ね。京都・丹後地区で紡がれてきた糸と布の歴史を知る
  • 一粒の繭|須藤玲子
  • 複雑で繊細な撚糸の世界|林登志也
  • 丹後企業の技術細見|須藤玲子
  • 各社プロフィールとNUNOと制作した布の紹介
  • 安田織物 / 柴田織物 / 田勇機業 / 宮眞 / 創作工房糸あそび / 民谷螺鈿
  • 丹後織物の未来|髙橋尚義

主要著者・制作クリエイターのプロフィール

須藤玲⼦(Reiko Sudo) / 株式会社布 代表

東京造形⼤学名誉教授。伝統的な染織技術と最先端技術を融合させ、現代のテキスタイル界をリードする。作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)など世界各国の美術館に永久保存。⽔⼾芸術館での個展等により2024年度芸術選奨⽂部科学⼤⾂賞を受賞。

we+(ウィープラス) / コンテンポラリー・デザインスタジオ

林登志也(Toshiya Hayashi)と安藤北⽃(Hokuto Ando)が2013年に設⽴。リサーチと実験に基づき、新たな視点と価値をかたちにする。国内外で⾃主プロジェクトを発表するほか、ブランディングや空間デザインなど幅広く⼿がける。Dezeen Award 2022(英)、FRAME Awards 2024(蘭)ほか受賞多数。作品はVitra Design Museum(独)他に収蔵。

林 雅之(Masayuki Hayashi) / 写真家

プロダクトや家具のスチルライフを中⼼に、数々の美しい作品を発表。1987年設⽴の事務所を背景に、広告からアート写真まで多岐にわたり活躍。写真集に『Living Flowers』など。

著者著者:須藤玲子、we+(ウィープラス)/コンテンポラリーデザインスタジオほか   写真家:林雅之ほか
発行年2026年
発行株式会社布
価格3300円(税込)
ISBNコード491150420X
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