「編む」という技法と歴史を徹底的に分析し続ける関島は、生活道具との強い結びつきから敢えて切り離すことによって、バスケタリーの新たな可能性を引き伸ばそうと果敢に取り組んできました。1978年以来、その数は驚くことに2024年現在で700点までに及ぼうとしています。

関島の作品は、用途や機能を問わせない強い存在感を放ち、対峙する私たちを積極的に既知の未知へと誘います。

関島がバスケタリーに用いる素材は、編みやすく育てられた植物ではありません。自然界に自生する植物だけを用い、それぞれの形質に緻密に忍耐強く付き合いながら、組織の新たな可能性を引き出すことによって、設計図では表現しきれない線が作品を構成します。組織は編まれることによって構造となり、輪郭をつくり、平面から立体へとリズミカルに変容していきますが、そのリズムさえも素材の形質がもつ造形の定式となり、綿密に組み合わされた知の産物としてのかたちを生み出すのです。

2024年最後の展示会として、日日では、バスケタリーアートの第一人者である関島寿子による個展「バスケタリー」を開催いたします。京都に於いて3回目となる今回の展示会では、「結ぶ」、「組む」、「捻じる」、「縒る」また「絡める」などあらゆる技法と天然素材を用いた「バスケタリーの定式」の集大成ともいえる作品が揃います。

【GALLERY TALK】(参加無料、予約不要)
「バスケタリーの定式と創作の関係」
日時:12月7日(土)14:00 – 15:30
場所:日日 gallery nichinichi
話すひと:関島寿子、島崎慶子(菊池寛実記念 智美術館・主任学芸員)

関島寿子

1966年津田塾大学英文科卒業。28歳の時に趣味としてラタン編みを始める。1975年、夫の赴任地であるニューヨークに移る。ニューヨークに在住中、美術館やギャラリーを通して、様々な異国文化に接し、古来からの編み技法をじっくりと学ぶ間に、米国の現代編み技法(バスケタリー)の最先端アーティスト(エド・ロスバック、ジョン・マックイーン)との出会いによって、彼らが古来の編み技法をマスターしながらも、やがて自らの斬新的な手法を見出して行くのに魅力を感じ、この時から、関島はバスケタリーのみに専念し、バスケタリーアートの第一人者として先頭に立って活躍し続けている。

会期:2024年12月06日(金)~2024年12月23日(月)

※新型コロナウィルス感染拡大防止のため、会期や入場条件等が変更になる可能性があります。最新情報は公式サイトをご確認下さい。

開催時間11時ー18時
休日など 火曜定休
詳細情報 展示の詳細情報を確認する

日日 gallery nichinichi    

住所 〒602-0875
京都市上京区信富町298
公式サイト https://nichinichi.com