『万葉集』をテーマにした全国初の専門博物館である高岡市万葉歴史館は、今年開館30周年を迎えます。これを記念して、古代衣装研究家の山口千代子氏に全面的協力をいただき特別企画展を開催します。
柿本人麻呂が活躍した藤原京時代から、聖武天皇・光明皇后の天平時代、大伴家持の父の大伴旅人が開催した令和の典拠となった「梅花の宴」など、山口千代子氏が製作したそれぞれの時代に生きた万葉びとの衣装を、珠玉の万葉歌とともに展示します。万葉時代の歌世界を、衣装の展示を通じて体感していただければと思います。
また、本展では大正末から昭和初期にかけて正倉院宝物の修理と模造製作にたずさわった工芸家の吉田包春(よしだ・ほうしゅん)による「子日目利箒(ねのひのめどきのほうき)」(儀礼用の箒)と、その台「粉地彩絵倚几(ふんじさいえのいき)」などの正倉院宝物の複製品を、初展示します。