藍染筒描き木綿の膳掛け
祝い事に誂えた筒書き
吉祥の文様に込められた願い
庶民の生活の中に溶け込んだアート
今は料亭などでしか見ることのない銘々の食事を載せたお膳も、一昔前なら大抵の家にありました。漆塗りの上等なものから普段使いの箱膳(※中に一人分の食器を仕舞っておける箱型のお膳)といわれるものなど、座卓やテープルが普及するまでは広く使われたお膳。
そのお膳に虫除け埃除けに被せた布を膳掛けといいます。
『祝いの膳掛け』は婚礼や長寿などの祝い事・慶事に誂えたものです。富貴・福寿を願い吉祥模様を藍地に筒描で色鮮やかに染めています。
当館に収蔵されている膳掛けは藍染めが盛んに行われ木綿が普及した幕末から明治期の庶民の暮らしの中で使われていたものです。
筒描で引かれた線の伸びやかさ・色使い・ 構図熟練の職人の画力を感じます。
でも・・・中にはウマヘタ的なものもあり楽しいです。