友禅染は江戸時代17世紀末に生まれた染色技法で、それまで一般的な染色技法だった絞り染を中心とする技法に比べて、はるかに多色で繊細な表現を可能にしたことで、町人女性の小袖を豊かに彩りました。18世紀にその盛期を迎えた友禅染は、明治時代以降に合成染料を用いた新しい色彩と技術が反映され、大正・昭和と変化しつつ歴史を重ねていきました。また、友禅染は京都を中心に発達し、京都からその技法が伝わった金沢においては、技術の極みともいえる友禅染掛幅(かけふく)(※)が誕生しました。そして、明治以降は「加賀友禅」の名で伝統的工芸品としても定着しています。本展では、丸紅コレクションを中心とした江戸時代の友禅染の名品である、小袖や友禅染掛幅、昭和時代の友禅作家によって制作された作品を展示します。時代に応じて華麗に変化した染色技術と繊細な模様表現をお楽しみください。
(※)床の間などに掛けて鑑賞する絵や書のことを指し、掛軸の別称。
