東京都とトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)は2018年より、中堅アーティストを対象とした現代美術の賞「Tokyo Contemporary Art Award(TCAA)」を実施しています。各回の受賞者2名は、受賞後の海外活動をはじめとする複数年にわたる支援を経て、東京都現代美術館で受賞記念展を開催しています。この度、5回目の受賞者 梅田哲也と呉夏枝による「TCAA 2024–2026 受賞記念展」を、東京都現代美術館にて開催します。
梅田哲也と呉夏枝は、近年「海路」や「水路」など、水にまつわる考察を作品の重要な要素に取り入れています。織り、染色技法に多様なメディアを組み合わせたインスタレーション作品を通じ、他者の記憶を共有することを試みる呉は、仮想の島々をめぐるように個人の歴史や物語をつなぐことで、鑑賞者の記憶に働きかけるプロジェクト「grandmother island project」を中心とした作品を展観。パフォーマンスやツアーなど、さまざまな形態によって物事の構造を可視化する梅田が展示空間に創出する新たな導線が、表裏の関係のように、あるいは水と陸地の境目である湿地のように、時に反転しながら、緩やかに重なり合います。
作家紹介
梅田哲也
1980年熊本県生まれ、大阪府在住。
現地にあるモノや日常的な素材と、物理現象としての動力を活用したインスタレーションを制作する一方で、パフォーマンスでは、普段行き慣れない場所へ観客を招待するツアー作品や、劇場の機能にフォーカスした舞台作品、中心点を持たない合唱のプロジェクトなどを発表。先鋭的な音響のアーティストとしても知られる。
呉夏枝
1976年大阪府生まれ、オーストラリア在住。
主に、織、染、ほどくなど、繊維素材にまつわる技法を用い、写真、テキスト、音声などを併用したインスタレーション作品を制作。在日韓国人三世の出自を背景に、言葉にされなかった個人の記憶―沈黙の記憶―をめぐる制作や、ワークショップをとおしての対話や経験をもとに、記憶の継承の可能性を探求している。現在は、日本とオーストラリアを拠点に活動している。
