広島県立美術館では令和5 年度より、「コレクション・フォーカス」と題して、所蔵作品の魅力を一層感
じていただける特集展示を開催しています。このたびは当館の豊富な工芸コレクションより、インドで生まれた模様染めの布「更紗」を取り上げ、館蔵品に九州国立博物館ならびに福岡市美術館の所蔵作品を交え、2つの展示室にわたってご紹介します。
インド更紗は、優れたデザインと多色かつ堅牢な染色技術により、比類なき地位を築きました。
古くから陸路海路を通ってペルシアやエジプト、インドネシアなどへと運ばれ、17 世紀にヨーロッパ各国で東インド会社が設立されると、魅力的な交易品として世界各地に輸出されるようになります。各市場の需要に応じて作られた更紗は、それを手にした人々の心を躍らせ、新たな更紗を生み出す原動力となり、それは現代へと続いています。
同展では、まずインド国内向けの更紗を、次に東南アジアやヨーロッパ、日本などへ舶載された更紗を、そしてインド更紗に触発されて各地で生み出された更紗を展示し、3章構成で更紗の発展を辿ります。
