浅草のアミューズミュージアムが2019年3月に閉館になり、田中忠三郎コレクションの行く末を案じられた方も多いのではないでしょうか。

『Boro Textile』は現在世界を旅しています。
現在はNYのジャパン・ソサエティー( JS ギャラリー)で展示されていますが、コロナショックで休館を余儀なくされる中、オンライン動画で展示が配信されています。

青森の寒村で朽ちていくはずだった小さな裂が、価値ある美術品として世界をめぐり、また、その展示の様子が電波に乗って自宅で見ることが出来る未来が来るなど寒さの中かじかんだ指先で縫っていた女性は想像もしなかったことでしょう。しかし、彼女たちの家族を思う優しさはソーシャルディスタンスを取りながら緊張の中で暮らす私たちに大切なことを教えてくれると思います。

©Japan Society(NY)

展示について

ジャパン・ソサエティー・ギャラリーは日本の手仕事の中で「Boro(ぼろ)」と呼ばれるテキスタイルの歴史と、その手法から影響を受けた現代のクリエーターによる作品を紹介する展覧会「BOROテキスタイル:継続性の美学」を開催します。

本展では米国初公開となるBoro収集・研究の第一人者である青森県出身の民俗研究家、田中忠三郎の個人コレクションから50点以上の日常着や家庭で使用されてきた敷布などのBoroテキスタイルに加えて、Boroの手法に触発されその美学を備えながら独創的に展開する日米の現代のクリエイター作品を併せて紹介します。現代の作品からは、不完全さを個性と捉え、革新的デザインで世界に衝撃を与えた日本の前衛ファッションデザインのパイオニアである、川久保玲、三宅一生、山本耀司の作品や、継ぎ、接ぐ手法を取り入れたテキスタイル作品に取り組む上記のデザイナーに続く世代のアーティスト、スーザン・チャンチオロやクリスティーナ・キムの作品を展示します。これらの作品はいずれも現代社会における再利用やサステイナビリティの概念に大きな気づきを与えてくれます。

会場:
ジャパン・ソサエティー(JS) ギャラリー

展示期間:
2020年3月6日(金)~2020年6月14日(日) 2020年7月19日(日)
※会期が変更になりました。
※新型コロナウイルスの影響で現在休館中

詳細情報は公式サイトを御確認下さい。
https://www.japansociety.org/page/programs/gallery/boro-textiles