内容紹介
本書は中国西南部・貴州省の芭莎(バーシャ)村の苗(ミャオ)族の人々と、その暮らしを写したフォトブックです。昨今、近代化が著しく進む苗族の村において、彼らの伝統布・亮(リャン)布(プー)は今なお手作業で染め上げられている布です。何度も藍で染められた独特の紅色味と、金属的な光沢を放つこの布は、苗族の衣装となって彼らの物語を支えてきました。著者はその亮布を使って新たに衣装を制作し、本書ではそれらの衣装を着た苗族の人々を、彼らの暮らしとともに収めています。菜の花が咲き誇る棚田、苗族の人々の人懐こい笑顔、昔ながらの生活風景…。芭莎村のそうした風景は、私たちにどこか懐かしい気持ちを感じさせてくれます。
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著者からのメッセージ
『はじまりの詩』は著者・ヤマダが2019年に行ったクラウドファンディング「苗族の写真集を作る！苗族の伝統布亮布を日本に広め苗族文化を守りたい！」でのご支援金によって出来上がった1冊です。かつて文字を持たなかった苗族たちは、亮布衣装の刺繍で自分たちの物語を伝えてきました。しかし本書では敢えて刺繍のない衣装を苗族たちに着てもらい、衣装を纏った苗族自身がこれからの物語の語り手になるのだという思いをここに込めています。新しさと古さの混在する時代を生きる私たちにとって、本書が「古き良きもの」のこれからのあり方に思いを巡らす、ささいなきっかけとなりましたら嬉しいです。
