内容紹介

2020年はコロナで特別な年になりました。未来が見えない、どうすればいいのかわからない、世界中が同時に立ち止まってしまったような気がします。そういう時…私は「過去から学び、未来を考える」しかないように思っています。

今回の特集は、小林桂子さんの「糸から布を創る―織物以前のテキスタイル」です。人類が糸を作り始めた2万6000年前までタイムスリップします。きっと何度もパンデミックを経験してきたのでしょう。それでも手で物を作ることは手放さなかった…。

人類が生み出した布とは何か、それを”糸の組織”という切り口で、テキスタイル全体を俯瞰しています。それはまさに”人類史”です。小林桂子さんが布創りの技法を分類整理し、初心者でもできるようにイラストと写真で手ほどきしてくださいました。研究書ではなく、料理本の簡単レシピのような22ページです。

そして人気の連載にも今回は力が入っています。石田紀佳さんのエディブルガーデンは、これからの都市生活を示唆する取り組みの紹介です。
岩井和一郎さんのチリ交春秋も、古紙の現場で何が起こっているかがわかります。大きく時代が変わる時の、舵を切った軋みの音を聞くようです。

そして京都宇治の「みんなの木こども園」のこどもたちは、1年かけて藍を育て、スクモを作って、藍染めをしています!その驚きの取り組みをご紹介、このこどもたちを見ていると”未来は明るい!”と思います。

著者からのメッセージ

インターネットが世界中を瞬時で繋ぐ時代において、紙のメディアに何ができるのか?
スピナッツは時代の生き証人として、この時代に何が起き、作り手は何を生み出したのか…。テキスタイルを切り口に、時代に爪痕を残すような、そして手の中に残しておきたい宝石のような本作りを目指しています。

スピナッツ出版 編集
Wool Classer(ウール格付人) 本出ますみ

著者本出ますみ
発行年2020年
発行スピナッツ出版
価格1430円(税込)
ISBNコード978-4-904443-57-6
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