深遠な藍染の表現を探求し、世界的に活躍を続けている福本潮子氏の和光では初めての個展を開催いたします。 木綿や麻等、自然由来の素材と福本氏の創意を凝らした藍の奏でる世界は観る方の心に深く響きます。 季節の移ろいを感じる頃、ジャパンブルー、グラデーションが美しい藍色の海に誘われるまたとない機会となります。
美術評論家の森 孝一氏より展覧会に向けてのメッセージをいただきました。
「福本潮子 ―藍の海―」
福本潮子は「世界中の藍で一番美しい藍は日本の藍です。その特色は、ブルーの豊かなグラデーションです」という。彼女は、古来より伝わる藍染の技法と向き合いながら、伝統の枠を超えた自由な創作に挑戦している。その挑戦は藍がより美しく鮮やかに染まる開田高原の苧麻(ちょま)に始まり、中国のトルファンの超長繊維綿との出合い、滋賀県湖北の長浜で織られた亜麻の蚊帳地などで大きなインスタレーションにも挑戦してきた。しかし、それらの全てが製造中止になった。その後、日本各地の地機(じはた)で織られた大麻、藤、反故紙(ほごし)、シナ、オヒョウなどで作られた仕事着や半纏(はんてん)、蚊帳地などの布に深く刻まれた風土、労働、日本人気質などを作品へと昇華させる。いま挑戦しているのが木綿の漁網、昔は自然素材の麻や木綿などで漁網が作られていた。しかし、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維で作られるようになり、世界中の海が汚染されだした。藍は自然素材しか染まらない。福本は「木綿の漁網は美しい海のように藍が染まる」と訴える。布に込められたさまざまな言葉を聞き出し、それをいかに現代作品として発することが出来るかを志向しながら制作している。
美術評論家 森 孝一
ギャラリートークのお知らせ
福本潮子氏と美術評論家・森孝一氏によるギャラリートークを開催いたします。
日時:11月29日(土)14:00~
◎混雑時には入場を制限させていただく場合がございます。
お問い合わせ先:和光 美術部 03-3562-2111(代表)
