The Beginning of Life/Art: Cloth Weaves Our Times, from Aomori
アジアを拠点に活躍する3 人のアーティスト、碓井ゆい(うすい・ゆい)、遠藤薫(えんどう・かおり)、台湾から林介文(リン・ジェ―ウェン/ラバイ・イヨン)と青森市教育委員会所蔵の文化財による展覧会。国際芸術センター青森で行ってきた「青森市所蔵作品展」の流れを汲みつつ、手芸や工芸、伝統文化の技術をもとに現代美術の活動を行うアーティストたちが、裂織や刺し子、ボロをはじめとする風土に根ざした布類や農具など青森の民俗資料から発想した新作や、文化財を用いたインスタレーションを展観し、戦前の女子教育・洋学受容や戦争と花火、台湾原住民族と日本の関わり等をテーマに、現在と地続きである時代をアーティストそれぞれの視点で描き出します。人が生きる上で欠かせない布を、破壊と再生を繰り返すものとして捉えることで、ジョルジュ・バタイユが大地の「裂け目」である洞窟のなかに人間性と芸術の誕生を見出したように、モノを通して過去から現在へとつながる人間の営みについて考える場となることでしょう。