「紅型」(びんがた)
沖縄には「紅型」という美しい染物があります。 赤や藍の色が強烈な印象を与えるのは、沖縄の日差しにも負けない染物を追い求めたからかもしれません。
技法的には型染と同じですが、文様も型染とは違う印象を与えます。
沖縄は琉球王国という王様のいる一つの国でした。中国と日本両方の文化が混在していますが、紅型に関しては日本の影響が反映されています。
紅型は日本の小袖文様の影響を受けているところもありますが、琉球独特の文様もあります。
紅型には鶴、尾長鳥、千鳥など鳥の文様も多く、実は着用者の階級(王族や貴族、庶民など)を示しているのではない かと考えられています。鶴は階級の高い人々が着用した可能性が考えられます。
表紙は網干(あぼし)と民家、萩で、日本の小袖文様にみられるモチーフです。本来網干(漁網を干している文様)は海辺の風景として表現されますが、文様の解釈が一人歩きをして、琉球独自の表現になっています。桜が刺繍なのは紅型には珍しい作品です。
※出品資料7点