2024年1月23日から2月22日まで丸紅コレクションである「ふしみ殿御あつらへ」小袖裂と復元小袖を関連資料とともに展示致します。本展では、丸紅コレクションとして所蔵する希少な桃山時代の辻が花の小袖裂と、それをもとに復元した小袖を展示します。この小袖は、1996年7月から1999年12月まで3年余りの歳月をかけ、丸紅設立 50 周年記念事業として、養蚕から糸づくり、手織り、湯のし、下絵、糸入れ、絞り、染め、仕立てまでの工程を、可能な限り桃山期の技術に基づいて復元したものです。
また、小袖裂には、「ふしみ殿御あつらへ」との墨書が記されており、秀吉の側室であった淀が着用した小袖の一部と考えられてきました。本展では、当時の呉服制作の観点から墨書が記された目的と理由を明らかにし、必ずしも注文主が淀とは限らないことを示すとともに、同じ桃山時代の貴重な染織品である辻が花裂を紹介します。
「源氏物語 よみがえった女房装束の美」と同様、一流の見識者と職人の総力により実現したプロジェクトであり、時代を超えて共鳴する染織品の美を関連資料と共にじっくりとご鑑賞いただければ幸いに存じます。