令和3年度は、「赤」をテーマに2回の企画展を開催します。第1回目は、天然染料や顔料で染めた「赤」を特集します。
元来「赤」は、太陽の色であり、火の色であり、体内に流れる血の色であり、生きていく根源なるものをあらわす色でした。そこに人は畏怖と畏敬の念を抱くと同時に、身近にその色を配したいと願ったと考えられます。情熱の色、祝いの色、魔を祓う色、祈りの色…、人々の願いが込められた色なのではないでしょうか。
本展では、茜、紅花、蘇芳、ラック、コチニール、ベンガラといった、古くから「赤」を染めるのに用いられてきた天然染料や顔料と、その染織品を展示します。また、群馬県内の遺跡や古墳から出土したベンガラによる赤彩がなされた土器や、天然痘除けや魔除けとして赤が使われた達磨や「赤物」と呼ばれる郷土玩具なども同時に紹介します。人々が赤い色に込めてきた祈りや願いに思いを寄せ、赤の力を感じていただく展示です。