東洋・日本美術に表されたさまざまな「自然のすがた」をテーマに、三井記念美術館コレクションの中から選りすぐりの名品をご紹介します。
「自然」といえば、山・川・海がつくる地形、雨・雪・雷・雲・風などの気象、樹木・草花・動物・虫などの動植物といったように、多くの事物や現象がイメージされます。本展では、これらの「自然」がどのように美術に表現されているのか、色々な角度からアプローチします。
例えば、絵画や調度品では、四季や物語にみる美しい情景の一瞬を捉えたり、自然に溢れた理想の世界を想像したり、自然物をリアルに表現したりする試みが行われました。さらに、茶道具などには、自然のモチーフをデザイン化したり、造形や色を自然にたとえたりするなど、趣向を凝らした表現方法を見ることができます。こうした多彩な「自然のすがた」から、作品の背景にある人々の豊かな感性や創意工夫を感じ取ることができるのです。
雪の煌めき、水の流れ、風の音、雲の動き、草花や樹木の表情……「自然」というフィルターを通して作品を鑑賞してみると、作品がひと味違う姿で目の前に現われるはずです。「自然」が彩る「かたち」と「こころ」をどうぞお楽しみください。
なお、三井記念美術館は本展終了後、リニューアル工事のため 2022年4月下旬(予定)まで休館いたします。同館のコレクションと対面する休館前最後の機会となりますので、ぜひともご来館ください。