共立女子大学博物館は、2016年の開館から5周年を迎える運びとなりました。これに伴い、開館5周年記念 特別展「べル・エポックからモダンへ」を開催いたします。「ベル・エポック」とはフランス語で「古き良き時代」を意味し、ヨーロッパにおいて文化や芸術が栄えた19世紀末から第一次世界大戦勃発までの時期をこのように呼んできました。この時代は、曲線が優美なアール・ヌーヴォー様式のデザインがもてはやされ、美術工芸・建築など様々なものに施されました。やがて1910年代半ばごろには幾何学的で機能美が重視されるアール・デコ様式が誕生し、1920年代には「モダン」の時代が到来します。服飾においてもそれぞれの時期にその現象は現れ、衣服のシルエットは曲線的なものから直線的なものになり、モチーフも幾何学的でエキゾチックなものへと変化します。しかし、加飾技法においては、機能性とは程遠い、豪奢で華麗な装飾をビーズ刺繍で施すなど、緻密さを極めていきます。
同展は、ベル・エポック期の服飾にみられる複雑な構造と優美な装飾にハイライトを当てながら、機能的な構造と溢れる装飾性で、100年を経てもなお輝き続ける1920年代のモダンデザインとスタイルをご紹介いたします。