アンデス文明は、現在のペルー共和国の太平洋海岸地帯からボリビア共和国西部の高地で紀元前約1300年から紀元後1600年に発達しました。ここでは織物の文化が豊かに発展し、海岸地帯では綿の栽培が、高原地帯ではアルパ力やリャマの家畜化が早くから始まり毛織物の文化が芽吹きました。
アンデスの人々は文字による記録こそ遺しませんでしたが、織物の模様は文化と創造力の記憶そのものです。神像や動物や自然を神格化したモチーフ、身近な動植物など、独創的でユニークな表現は、人々の生活の豊かさを感じさせます。本展では、女子美染織コレクションが有する約400点のアンデスの染織品を前期・後期に分けて全点公開します。鮮やかな色彩や高度な織物技術により創出された豊かな歴史を貴重な文化財からお楽しみください。