世界には200近くの国や地域があります。それぞれの国や地域でその暮らしの中から民芸品が生み出されています。布が織られ、染められ、刺繍され、焼き物が作られ、籠が編まれ、人形が作られています。しかしそのすべてが一様ではありません。それはその土地で採れる材料で、その土地の人々の暮らしや風土に合ったものが作られているからです。
例えば布、そこに表された模様や色には魔除けや繁栄などの願いが込められ、それを身に着ける人の居住地や立場など社会的属性を示すこともあります。またその模様の表し方は、糸を染め分けて織ることで表現したり、出来上がった布にペンや版木で直接描いたり、防染技法で染め分けたりと様々です。
今回の企画展では、館蔵品よりアジア、アフリカ、南アメリカの染織品を中心に世界の手仕事を展示紹介します。展示品を通じて世界は多様で多彩で面白いと感じていただけたら幸いです。