御三家筆頭の格式を誇る尾張徳川家では、徳川将軍家をはじめ徳川一門、公家や諸大名から歴代藩主の正室を迎えました。正室は尾張徳川家と実家との橋渡し役となり、独自の政治的役割を果たすとともに、文化や儀礼の面でも婚家を支えました。また、家の存続に不可欠な世継ぎを確保するため、正室以外の女性が世継ぎを産んだ例も少なくありません。なかには生母として正室に次ぐ地位や権力を得る者も登場しました。本展では、尾張徳川家を陰で支えた正室や側室・息女ゆかりの品々を展示し、大名家に生きた女性たちの実像に迫ります。
2021-09-04