内容紹介
今号は、今このタイミング!と思えるような特集「魂を包む布の創造―新井淳一の仕事」です。生涯で4度会社を興し2度倒産。しかしその都度不死鳥のように蘇り・・・新しい布を創る情熱を貫き通した85年でした。今回より人の暮らしを見つめる連載がスタート、第1回は「銭湯」です。スピナッツは羊をめぐる衣食住、それに続く人の暮らしを見つめます。
新井淳一の布は80年代以降ミヤケイッセー、川久保令などトップデザイナーに生地提供をしてきました。その彼の、伝統の技と最新の繊維を組み合わせた独創的な布創りの技法紹介と、その苦労話が盛り込まれています。
著者からのメッセージ
「SPINNUTS」とは、「Spin(紡ぎ)」+「Nuts(夢中になる)」を合わせて造った言葉です。
1983年秋にオーストラリアの羊の牧場で、はじめて糸紡ぎに出合ったときに、原毛屋になると決心し、3頭分のフリース(羊1頭分の毛刈りしたての羊毛)を持ち帰り、「原毛屋 Spin House PONTA (スピンハウスポンタ)」を始めました。そして1985年には雑誌スピナッツを創刊。手書き、10ページ、コピー刷りの30部が創刊号です。2008年には「スピナッツ出版」として登録、定期購読者に支えられ、現在100号を超えました。
2020年6月発行の106号からは、それまでの「羊毛のある暮らし」から「暮らしを紡ぐ衣食住」にステージを広げ、羊と羊毛だけでなく繊維全般を守備範囲にし。今まで以上に伝統の染織や、リサイクルの現場、農家、工場へも足を運び、染織のレシピのページだけでなく、衣食住につながる「人の暮らし」を訪ねることにもチャレンジしたいと思っています。目指すは染織・羊マニアとの共感、そして好奇心の活性です。
「羊」とは、衣食住の扉が次々と開いていく、創造の源泉だと思います。
スピナッツ出版 編集
Wool Classer(ウール格付人) 本出ますみ