新年の福徳を授けるというトシガミを迎えるため、日本各地で製作されてきた「しめかざり」。生活様式の変化にともない、近年では本来の意味から離れ、年末年始を彩る手軽な装飾として用いられることも多くなりました。
しかし、しめかざりの造形には想像以上の多様性・地域性があり、一つ一つに作り手の「想い」が込められていることは意外と知られていません。
そんなしめかざりに魅せられたグラフィックデザイナーの森須磨子さんは、この20年ほど「しめかざり探訪」として日本中を歩いてきました。
本展では、森さんがこれまでにリサーチしてきた様々なしめかざりの中から約100点を展示紹介します。風土に根差した素材やかたち、そこに込められた先人の智恵を探り、現代に生かせる「未来の民具」としての可能性に光を当てます。