武家の美意識に裏打ちされた、江戸時代の能装束(衣類・能面・鬘帯・腰帯など)と、現代における装束復原について紹介する展覧会。
様々な芸能を源流に、室町時代初期に大和猿楽・結崎座の観阿弥・世阿弥親子によって大成された「能楽」は、江戸時代に至って武家式楽としての地位を確立します。同時に江戸時代には、上質な国産生糸の生産体制と高度な染織・製織技術が成立し、武家の教養と美意識が反映された格調高く優美な能装束の生産が可能となりました。
今回は、浅井能楽資料館 佐藤芳彦記念 山口能装束研究所の協力により、室町時代後期から平成までの能関係資料を通して、日本の伝統文化を発信するとともに、能装束を取り巻く様々な技術と伝統、そしてそこに息づく能の精神を新たな視点で紹介します。