本シンポジウムは、国立民族学博物館(みんぱく)の半世紀にわたる研究成果を踏まえ、「海からの視点」に注目しながら、人類の文化遺産をテーマとします。従来の人類学・考古学、あるいは地域研究では、陸からの視点による研究が主流となる傾向がありました。本シンポジウムでは、主に海域アジアやオセアニアにおける有形・無形の文化遺産をめぐる現状と課題についての総合的な検討をおこなうことで、陸域よりも海域の視点から新たな研究の展開を構想します。

開催概要

開催日2024年5月11日(土)、12日(日)10:30~16:30(10:00開場)
場 所国立民族学博物館 みんぱくインテリジェントホール(講堂)
定 員【会場参加】350名(要事前申込み/先着順)
【オンライン配信】500名(要事前申込み/先着順)
参加費無料
言 語日英同時通訳あり
主 催国立民族学博物館
共 催NIHUグローバル地域研究推進事業「海域アジア・オセアニア研究」

5月11日(土)

10:30-10:40開催の辞
吉田憲司(国立民族学博物館長)
10:40–10:45シンポジウム全体の紹介
小野林太郎(国立民族学博物館)
有形文化遺産の現状と博物館
10:45-11:00趣旨説明と発表者紹介
小野林太郎(国立民族学博物館)
11:00-11:30インドネシアの文化遺産保護における官・民・人の連携
Marlon Ririmassei(インドネシア国立研究イノベーション機構所長)
11:35-12:05ジャカルタ海洋博物館の文化遺産保存の取り組みとその展開
Mis Ari(インドネシア海洋博物館長)
12:10-12:40マレーシアの博物館におけるセイルガードコレクション:そのテーマと意味
Mohd. Nasrulamiazam Mohd Nasir(ぺラック州立博物館長)
オセアニアのカヌーと文化復興
13:45-14:00趣旨説明と発表者紹介
小野林太郎(国立民族学博物館)
14:00-14:30ネットワーク知とウィンドシステムナビゲーションの継承
Marianne “Mimi” George(ソロモンの航海者)
14:30-15:00レジリエンスのある航海
-NGO法人ワム(WAM)の太平洋における持続可能な取り組み
Alson J. Kelen(ミクロネシアの航海者)
15:00-15:15休憩
15:15-15:45カヌーに秘められた島の知恵 ~カロリン諸島のカヌー建造と航海~
宮澤京子(海工房ディレクター)
15:45-16:15人類の海洋世界への進出:環太平洋の原初的船の再検討
後藤明(南山大学)
16:15-16:301日目閉会の辞
小野林太郎(国立民族学博物館)

5月12日(日)

樹皮布とカジノキ―起源・伝統・アート
10:30-10:45趣旨説明と発表者紹介
小野林太郎(国立民族学博物館)
10:45-11:15樹皮布の物語:フィジー人の宝を守る博物館の取り組み
Sipiriano Nemani Ranuku(フィジー博物館長)
11:20-11:50ソロモン諸島およびフィジー共和国における
樹皮布文化の多様性と継承
緒方良子(北九州市立大学)
11:55-12:25トゥトゥイラ島におけるシアポ(樹皮布)製作の現在
Reggie Meredith(樹皮布専門家)
12:25-12:30午後のセッション案内
12:30-13:30休憩
13:30-14:00タパを通して過去・現在・未来をつなぐ
-サモア国立博物館と国際芸術センター青森で持ちうる視点から
慶野結香(青森公立大学 国際芸術センター青森)
14:05-14:35カジノキの遺伝子が語るオーストロネシア人の拡散
Kuo-Fang Chung(中央研究院(台湾))
14:35-14:45休憩
14:45-15:30オセアニア人のたから(宝・財・貨・幣)
福本繁樹(美術家)
15:35-16:05樹皮布 カジの木の日本的展開
-タパ・倭文(しづり)・荒妙(あらたへ)-
北村皆雄(ヴィジュアルフォークロア代表)
16:10-16:30総括 閉会の辞
小野林太郎(国立民族学博物館)

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