弁天に乞う。
弁天は乞われるほどに、像容を変え、様々な価値を己に見出し、成り上がっていく。
湧水地のほとりに立ち、知性と武力、愛と財運を手にし、琵琶の音を奏でる。
欲しいものはなんでも持っている彼女に手を合わせる。
そして人はその手で少しずつ大きく変化させる。
どこまでも飽き足らず、着実に湧き上がり続ける欲望のように。
仏教の守護神である弁才天を題材に取り上げます。
弁才天はヒンドゥー教が源泉にあり、水の女神、知を司る女神、音楽神、福徳神、学芸神、戦勝神、財宝神など様々な性格を持ちます。
その信仰は大きく広がり、派生が多岐に広がってきた背景に、自らの創造力の行先とその活力を委ね、リアルタイムで変貌していく作品を制作します。
本来は大別される2臂像と8臂像、そして宇賀弁才天より着想を得、十五童子もモチーフに加えたインスタレーション的な作品展示を行います。
リアルタイムで変貌していく作品については、展示期間中に制作および展示の追加、作業を行い、鑑賞者もその様子を見学することができます。